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紅葉と落葉 -泣き虫社長の英断・奇跡の復活劇- [植物の生態]

そろそろ本州も紅葉の季節が近づいてきた。
赤や黄色といった葉のコントラストが冬の到来を感じさせる時期である。
ただそれらの色づいた葉々は程なくして落葉し、木々は葉という衣を脱いだ寂しい姿になる。
何故、木は落葉するのだろうか。

「冬が来たから葉っぱが落ちた」という因果関係は、子供の頃から私たちの頭に当たり前のように刷り込まれているので、疑問に思ったことすら無い人もいる。
恐らく理科や生物といった授業で学んではいるのだろうが、正直興味がない話なんて耳を素通りだ。

実は落葉は「木の耐寒性を上げる」ことに一役買っている。

「え、葉っぱ落ちたら裸で寒くなっちゃうじゃん!」
と言う人の感性を私は大好きなのだが、生理的に言うと実は葉を落とした方が良い。

葉っぱは光合成をして栄養をつくる場所。
春~秋までせっせせっせと植物のからだをつくるエネルギーを生産する。
そのエネルギーは枝や根を伸ばしたり、花を咲かせたりすることに使われる。
だからこそ大切な葉っぱクンたちなのだが、元を辿れば「枝」がなければ葉っぱは存在し得ない。
さらに元を辿れば「幹」がなければ枝は存在し得ない。
「枝葉末節」ということわざもあるが、要するに木の本体があってこそ枝や葉があるという関係なのだ。

日本の冬は寒い。木はそれを耐えなければならない。
そのために葉は、冬が近づくと自分達をつくっている栄養分を分解して、木本体に送り込むのだ。
それによって木本体は耐寒性をつける。

葉たち:
「私たちはいいです。所詮末端の社員ですから・・・
でも社長は生き延びてください! 社長が健在ならば、必ずやわが社は復活します!!」

幹:
「お、お前達!!(TT)」

まぁ分解されたクロロフィルが幹や根などの貯蔵組織に転流し樹液等の凝固点降下が起きる
その過程で葉に残された不要物のアントシアニンやカロテノイドが赤や黄色の色を放つ
・・・って理屈なんだが、そんなこと言っちゃ味気ない。

葉の日本人的な自己犠牲の精神なのである。
だからこそ美しくも儚い落葉を、直ぐ散る桜の花と同様に日本人は多分に愛する。

さて結局大幅リストラによって従業員の「葉」達を解雇してしまった「幹」社長であるが、春になり景気(気候)が良くなってくると雇用に積極的になり、また葉を大量に呼び込む。
そしてその木はまた新緑を纏い、日光を浴び、幹を太らせ枝を伸ばすのであった・・・。

幹:
「見ろ、お前ら・・・我が社は見事復活を果たしたぞ!!!(TT)」

語り継ぐ 人もなく 吹きすさぶ 風の中へ~♪
プロジェ●トX
「泣き虫社長、奇跡の復活 ~冬を乗り切れ!~」


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